神澤瑛菜 天国で見守る父に安心してレースを見てもらえるように

2022.02.09

デビュー戦は2019年7月の宇都宮。

初日のレース後はいろいろな感情が交じり合い、涙が止まらなかったと話す。

 

デビュー後は厳しい戦いの連続。

思うようなレースをさせてもらえず大敗が続き、つらい日々が続いた。

 

初勝利は同年10月の弥彦最終日。

「周りを見て落ち着いて走れた。デビューしてから初めてレースの流れにうまく乗れた。ゾーンに入ったって感じでした」と初勝利のレースを振り返る。

 

レース後のインタビューでは感情が爆発。

両親への感謝を口にした。

 

 

2020年1月の松阪で初めて決勝進出。

同年10月青森で2勝目、同年11月大宮で3勝目と少しずつ慣れてきたが、2021年はスタートからなかなか波に乗れず苦しんだ。

 

きっかけは8月の京王閣。

京王閣開催は尊敬する後閑信一の名前が入った冠レースで気合も入った。

 

あっせんが出たときから「後閑信一さんに名前を呼んでもらいたい。そのためには少しでもいい成績を残さないと」と気合を入れて練習。

 

99キロあった体重も25キロ落として70キロ台をキープ。

いままで以上の気合で臨んだ京王閣は予選2走を6、2着でクリア。

悲願の後閑信一杯での決勝進出を決めた。

 

「体重を落とすのは大変だった。自分はお肉とご飯の組み合わせが大好き。減量中はご飯の量を減らして頑張りました」

 

 

 

競輪界には代謝制度がある。

大まかな説明だが、成績の悪い選手からクビになってしまう制度だ。

 

神澤は今期の成績が大事になる。

「クビにはなりたくないし、今期はなんとしても点数を取りたい。

まずは目の前のレースを一つずつ頑張るだけ」

 

後閑信一は神澤について「神澤さんのお父さんとは前橋育英高校のクラスメイト。彼女が学校に入る前、いろいろ話をしました。スポーツをやっていたので、礼儀正しくて、謙虚で、さわやか。

点数で苦しんでいるけど、流れ込みのレースではなく、しっかり仕掛けている。

気持ちのいいレースをしているので頑張ってほしい。

応援しています」と激励。

 

 

 

昨年末、ガールズケイリンを勧めてくれた大好きな父が癌で他界した。

ふとしたときに、競輪が大好きだった父の言葉を思い出す。

「考えるな、感じろ」

 

考えている時間はない。

 

クビ回避へ少しでも点数を上げて、現役続行へ。

天国で見守る父に安心してレースを見てもらえるように頑張るだけだ!!

 

 

 

神澤瑛菜 Akina Kanzawa

誕生日:1999年7月7日
所属;群馬県
期別:116期
身長:170.0cm

 

松本直 Suguru Matsumoto

誕生日:1979年5月1日
所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)

 

 

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