“突っ張り先行”で魅せる! 刈込奈那

2022.03.04

コロナ禍での養成所生活。

外出ができない状況も、刈込にとっては好都合だったと話す。

 

「養成所は楽しかった。

自分は方向音痴だし、外出すると、養成所に帰れなくなるかもしれない。

だから外出できなくてよかったんです。

日曜日の午前中2時間だけスマホが使えたし、つらくなかった。

ただ友達にLINEをしても、既読になることがなく、一方的に連絡するだけでしたけど(笑)。

自主練習は太田瑛美さんと一緒にやることが多かった。

堀田萌那さん、蛯原杏奈さんとも一緒にいることが多かった」

 

(左から)同期の本多優、鈴木浩太(119期)、刈込、川路遥香

 

養成所では1勝しかすることができず、在所成績は21人中21位。

しかしプロデビューは鮮烈な輝きを放った。

 

5月静岡のルーキーシリーズ。

デビュー戦で刈込は突っ張り先行を見せた。

結果は7着だったが、ファン、関係者の度肝を抜いた。

 

「刈込っていいレースをするね」

その後も結果は伴わないが、積極策でアピールを続ける。

刈込奈那の名前は戦法とともに全国へ響き渡った。

 

「高校3年の国体のとき、板倉玄京さんに「自分から仕掛けるレースをしたほうがいいよ」ってアドバイスをもらった。

自分でも出し切ったレースをしたほうがいいと思った。

養成所では(滝澤正光)所長に「なんでSをとらないの」って言われて、そこからSを取って突っ張るレースを意識するようになりました」

 

同期の飯田風音と

 

7月の本デビュー後は先輩ガールズレーサーとの戦い。

先行、先行で挑み続けた。

 

11月の伊東温泉では予選1で奥井迪、予選2で小林優香を相手に先行で逃げ粘り、初めての決勝進出。

 

「伊東に行く前は不安しかなかった。

加瀬加奈子さん、奥井迪さん、小林優香さん。

テレビで見ていた人を相手に先行できるか分からなかった。

でも先行することができて、初めて決勝に乗れてうれしかった」

 

同期の菅原ななこと

 

年末年始は大敗が続いたが、2月の平塚最終日に待望の初勝利。

刈込らしい前受けからの突っ張り先行で1着をつかみとった。

 

「自分は逃げるしかない。今のスタイルでいけるところまで頑張ります」

 

 

ガールズケイリンで逃げは不利とされているが、強い選手はみんな逃げ切る脚力を持っている。

 

昨年のガールズグランプリを優勝した高木真備もデビュー当時は逃げてはまくられる、苦しい戦いをしていた時期もある。

 

すぐに結果は出ないかも知れないが、刈込の努力は必ず報われると信じている。

 

刈込の挑戦を応援していきたい。

 

 

刈込奈那 Nana Karikomi

生年月日:2000年12月13日

身長:157.2cm

期別:120期

登録地:千葉県

 

 

松本直 Suguru Matsumoto

誕生日:1979年5月1日

所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)

 

    この記事が気に入ったら
    いいね! してね。

    その他の松本直のガールズケイリンちょっとイイ話

      おすすめの記事