2世レーサー・萩原瑞生 場外車券売場勤務からガールズケイリン選手へ
2022.09.01

養成所は苦労の連続だった。
在所成績は16位。
適性試験での入所だったこともあり、自転車の取り扱いからのスタートだった。
「養成所は記憶がないくらいキツかった。
練習メニューを全部こなせない時期もあったし、体力気力を保つことで必死でした」
卒業後は地元前橋に帰り、デビューへ向けて練習漬けの日々を送った。
「自分は自転車がうまく扱えていない。
養成所の教官、師匠、群馬支部の方にも乗り込みが必要と言われているし、頑張っていくしかない」
5月のデビュー戦は松戸のルーキーシリーズ。
予選2走は積極的に風を切る先行勝負で名前を売った。
デビュー2場所目の松山でも先行勝負で車券に絡み、存在感を出している。
7月の本デビュー後も先輩相手に果敢に自力勝負で挑んでいる姿を目にすることが多い。
8月の京王閣まで、4場所を消化。
予選突破の壁を打ち破ることはまだできていないが、可能性を感じる走りは披露している。
「今は選手になれたことが嬉しいし楽しい。
いろんなストレスはあるけど、勝負をしているドキドキがたまらない。
大学を卒業して普通の仕事をしていた時期があるから、より感じるんでしょうね。
近いところの目標は、自力を出しての初勝利。
ガールズケイリンを見始めたときから自力選手に憧れていたし、上を目指すには自力を出していかないと勝負にならない。
位置取りのレースでは先輩たちには勝てない。
キャリア、経験の差はなかなか埋まらない。
でも自力で力を出し切るレースをすれば、戦える選択肢も多いと思うので、今は自力で頑張りたい」
8月の京王閣でもガールズケイリンの先輩レーサーたちが萩原に声を掛けている場面を見た。
順大の先輩・加瀬加奈子は「バンクの走り方に慣れてくれば結果は付いてくると思う」と萩原にエールを送る。
加瀬加奈子(写真左)と萩原
「ガールズケイリンの選手になれたし、将来は大きいレースに出てみたいし頑張りたい。
今は競輪をやっていることがすごく楽しい。
練習のタイムやレースでの上がりタイムが良くなることが、成果を感じられて嬉しい。
先輩選手にアドバイスをもらえるのもすごく励みになる。
先を見据えて頑張っていきます」と目を輝かせる。
ラインのないガールズケイリンで主導権を握ることは、はっきり言って不利。
しかし萩原瑞生は先行にこだわる。
人生の目標を失いかけたとき、自力で動く選手に憧れた思いがあるから。
自力勝負で初勝利を目指す萩原瑞生の挑戦を応援したい。
萩原瑞生 Mizuki Hagiwara
生年月日:1995年11月6日
身長:163.0cm
期別:122期
登録地:群馬県
松本直 Suguru Matsumoto
誕生日:1979年5月1日
所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)
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