スポーツニッポン特別対談企画!

2019.04.16

田中:2人はチームメイトでもありライバル。互いはどんな存在ですか。

小林:年は私が1つ上ですが、関係ありません。お互い助け合っていて、けんかもありません。〝負けないぞーっ〟という感じです。
私は長い距離をもがけるタイプですが、りゆちゃんはダッシュ系。すごいなと思っています。

太田:ライバルというよりは優香ちゃんの方が全然強いので、〝ちょっと待ってー〟という感じです。

田中:私が現役の時も記録競技で対人ではないので、チームメイトとは仲良くやっていました。同級生の岩崎恭子ちゃんと恋愛話をしたり。ブノアコーチの指導はいかがですか?技術面などの変化は。

小林:私はチームで一番泣かされ、怒られています。メンタル面を言われます。でも、信頼しているので、くらいついていってます。
技術面ではハロンの持ちタイムが1.5秒上がりました。ダッシュが苦手ではなくなった。体重は落としなさいと指示があり、83kgあったものが、今は65kgです。

※1ハロン:201.168メートル

 

 

太田:一緒にオリンピックを目指そうと誘ってくれたのはブノアコーチ。信頼しています。私は体重を7kg増やしました。脂肪ではなくいい感じについています。

田中:私は現役最後の4年間のうちの2年半、アメリカのコーチに教わったのですが、やはりメンタル面で影響を受けました。レースが終わったときに一番にやることは結果を見ることではなく、その前に100%でできたかどうかだ、と。
話は変わりますが、2人はお化粧をきれいにされていますよね。

太田:私はいつもばっちりメイクです。いろんな化粧品を持ちあさって、これいいな、ちょっと塗らせて、と優香ちゃんと遊んでいます。オフに髪の毛もピンクにしました。

小林:最近はりゆちゃんのおかげでおしゃれにも目覚めました。お化粧も覚え出して。いつもの練習はすっぴんですが、きょうは気合を入れてきました(笑)

 

 

田中:リフレッシュタイムも大切ですよね。さて、オリンピックの出場が、いよいよ決まる次のシーズン。一戦一戦をどんな思いで戦っていきますか?

小林:世界選手権が終わった後、コーチからオリンピック王者になる前に、世界王者としてオリンピックを迎えなさいと言われ、自分でもそうしたいと思っています。「I hope」を「I want」にして、絶対獲る、という気持ちでやります。

太田:人を使って、最後を捲るという戦法でやって来ましたが、自分で前を走る力もつけていこうというのが今年の目標です。まずは基礎からもう一度と考えています。

田中:東京オリンピックは本当にうらやましいです。挑戦できることを誇りに思っていただきたい。努力を日々続ければ、きっと結果はついてきます。
私の最後の五輪、アテネオリンピックは200メートル平泳ぎ4位でしたがやり切ったと思えたので誇りになりました。誰の人生でもない2人だけの人生だから、後悔のない日々をかさねて東京オリンピックを迎えてほしいと思います。
ありがとうございました。

 

 


<田中雅美さん取材後記>

オフでも早く練習に向き合いたいという思いなど、オリンピックに向けた覚悟を強く感じました。結果に追われていたりしているとネガティブに考えたりしがちですが、明るさやポジティブな雰囲気も印象的でした。お互いにいいリフレッシュタイムを持っていたり、刺激しあっていて2人の関係性もすごく絶妙。
今世界で活躍している若いアスリートたちは皆すごく楽しんで、自分に挑戦している。「あとから結果」と言った人が多い。まさにそういう2人になるのではとワクワクしています。東京オリンピックの出場権を獲得して、メダルのあるなしではなく、しっかりとここでやり切ってくれるでしょう。

 

 

<し烈な出場枠争い>

自転車トラック競技 全6種目、男女計189人が出場できる。開催国枠はなし。
2018年7月6日から2020年3月1日までのW杯、各大陸選手権、世界選手権で付与されるUCIポイントの上位国に出場枠が与えられる。

女子のケイリン、スプリントはチームスプリントの上位8カ国からそれぞれ2人が出場でき、さらに2種目それぞれの上位7カ国(チームスプリントで出場枠を得た国を除く)に1人ずつの出場枠が与えられる。上位7カ国としてケイリンで出場枠を得た選手はスプリントに、スプリントで出場枠を得た選手はケイリンにも出場できる。

日本女子は現在チームスプリントには参加しておらず、ケイリンが5位、スプリントが17位。現状のままならケイリン上位7カ国としてケイリンとスプリントに同じ選手が1人出場できる。スプリント上位7カ国での出場枠も十分に射程圏内と言える。

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