日刊スポーツ「Girl’s Collection 2019」 山口伊吹選手編

2019.08.14

※この記事は2019年7月31日付けの日刊スポーツに掲載されたコラム「Girl’s Collection(ガールズコレクション)2019」です。

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注目のガールズ選手を紹介する「Girl’s Collection(ガールズコレクション)2019」は、今月デビューした116期生をクローズアップする。

 

 

第1弾は在校成績1位に輝いた山口伊吹選手(19=長崎)だ。

兄の龍也選手(24、111期)の背中を追いかけてプロデビューを果たした。

 

デビュー2戦はいずれも決勝進出を果たしたが痛感したのはパワー不足。

プロの世界の厳しさを肌で感じながらも116期No.1のプライドにかけて。1日でも早い初優勝を目指す。

 

 

スポーツ一家の中ですくすくと育った。

父親は野球、母親はバレーボール。
上2人の兄は野球と自転車競技、下2人の弟は野球少年だ。

上下4人の兄弟に挟まれて女の子は1人だけ。
そんな男臭い環境の中で自然と体を動かすことが大好きな女の子になっていた。

 

山口 父が子供のスポーツに関しては熱くなる人なんです。すぐ上の兄(山口龍也選手・111期)が自転車競技で頑張っていて小学生の頃から全国大会などに応援に行ってました。

兄が活躍すると両親も喜ぶし家族みんなが笑顔になる。
そんな兄にあこがれて小学6年から自転車に乗りはじめました。
中学になると週末は兄が通う鹿町工業高で、練習もさせてもらってました。

 

 

兄が参加する競技大会には今でも「憧れの存在」と言う、鈴木奈央選手(22=静岡、110期)も出場していた。
彼女の活躍に刺激されて、ますますます自転車にのめり込んだ。

自然と兄と同じ高校に進学して自転車競技部に入学。
すぐに頭角を現して高校2年になるとアジア選手権など海外でも活躍。国内では全国高校選抜のケイリンで優勝を飾った。

 

山口 全国高校選抜のケイリンで優勝した時の準優勝が、鈴木樹里さん(在校2位)です。藤田まりあさん(在校9位)が4着でした。
でも樹里ちゃんには卒業記念レースでやられちゃいました(笑)

 

高校時代からのライバルたちが競輪学校でもしのぎを削る相手となった。そんな中で目標としていた在校1位の座を射止めた。

 

山口 学校に入る前から在校1位を取りたい、と思ってました。
でも、そのために結果を求めて、まくりや追い込みしかやってこなかったのは、今考えると悔いが残ります。

卒業が近くなるにつれてこれじゃ駄目だって思いました。
先行にこだわって頑張っていた南円佳さん(在校4位)や高木佑真さん(在校6位)は、みんな脚力を上げていました。

デビュー戦の和歌山で完全優勝した吉岡詩織さん(在校3位)もそうでしたね。
それに気がついた時はちょっと焦りましたが、もう遅かったです。

 

 

最初の頃は楽にまくれていたのに、だんだんバックで踏み直されて簡単にはまくれなくなった。
高校選抜で優勝している山口にとっては在校1位は譲れない勲章と思えたようだ。

ただ、結果にこだわることは脚力アップの面ではマイナスだったようだ。

 

鈴木樹里選手と2人でHPD(ハイパフォーマンスディビジョン)教場にも選ばれたエリート候補生も、心の中に不安を抱えたままでの卒業となった。

 

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