東京オリンピックを振り返って

2021.10.18

この夏1年の延期を経て、東京オリンピックが開催されました。

 

競輪界からは新田祐大選手・脇本雄太選手・橋本英也選手・小林優香選手の4選手が出場するも、脇本雄太選手の男子ケイリン7位という結果が最高順位でした。

 

この結果を競輪界のレジェンド中野浩一さんはどう見たのか!?

 

リオデジャネイロオリンピックからの5年間について話を聞きました。

 

 

 

ーーー数少ない有観客でのレース

 

過去、オリンピックにはテレビなどの解説もあって、7回現地へ行っているんだよね。

とくにヨーロッパや前回のリオ(リオデジャネイロ)は超満員の観客。

 

それに比べると今回の東京オリンピックは、「満員にしない」という方針もあって、なんとなく和気あいあいとしているように感じた。

オリンピック独自の殺伐とした雰囲気じゃなかったよね。

 

 

ーーーリオからの5年間

俺は成功だと思っているよ。

 

リオが終わって、次が東京だったということもあって「組織的に選手たちを強化していこう」と、当時のJCF(日本自転車競技連盟)の会長だった橋本聖子さん(2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長)たちと決めたんだ。

 

それで、しっかりと人選をしてブノアやジェイソンをコーチとして招聘した。

 

 

それまでは組織的な強化は、ほとんどやってこなかった。

強い選手が出てくるのを待って、出てきたらその選手を「頑張れ!」と応援して、“たまたま”メダルが獲れたこともあっただけ。

 

 “たまたま”ではなく、“毎回狙える”ようにしたいと思っていたんだ

ここ3年間の世界選手権での銀メダル獲得からも分かるように、その成果は出ていると思う。

 

 

今はもう“たまたま”ではなく、“毎回狙える”位置まできているということ。

でも選手たちの持っている力が、上手く発揮できなかったのが東京オリンピックだった。

 

あれだけ選手たちの力が拮抗していると、「レース中の一瞬の判断」が勝敗を分けることになる。

力があっても、その通りの結果になるとは限らない。

 

結果は残念だったけど、十分メダルが狙えるまでの強化はできたと思う。

でも、今回は運が無かった。

 

 

女子は経験の差が出たんだと思う。

ヨーロッパでは、ジュニアの頃から相当数のレースもこなしている。

 

その経験不足がレース運びに出てしまった。

力の差は思ったよりも無かったが、その力をどう発揮するかの差が出たんだと思う。

 

 

オリンピックは4年に1度(今年は5年に1度)ということもあって、選手たちの思い入れは強い。

2020年ドイツの世界選手権で、想定していたオリンピック出場枠の獲得ができなかった。

 

出場枠を獲得できていたら、もっと多くの選手が東京オリンピックに出場できていた。

だからその分、出場した4選手には余計なプレッシャーがかかったのかもしれないね。

 

 

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