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<前編>マーク技術はガールズケイリン屈指 佐伯智恵【松本直のガールズケイリンちょっとイイ話】

特別企画 2023.04.24



“ミスターガールズケイリン”と異名を持つ、デイリースポーツ・松本直記者の人気コンテンツがけいりんマルシェからお引っ越し!

松本記者しか知らないガールズ選手の秘話や“いい話”を紹介します。



佐伯智恵は香川県の西端にある観音寺市出身。

3人きょうだいの長女で2つ下に妹、4つ下に弟がいる。


「実家は山の中。自然の多い地域で育ちました。表で遊ぶことが多かった。

小学校は全校生徒が45人の小さな学校。

1年生の終わりに廃校になり、2年生のときからは町の小学校に通っていました」


中学校は自宅から自転車で20分かけて通い、部活は剣道部に所属した。

どうしても剣道をやりたかった訳ではないそうだ。


「自分は小さなころからじいちゃん子。

じいちゃんが柔道を好きで、中学になったら柔道部に入るつもりだった。

でも進学した中学に柔道部がなかった。

それなら同じ武道ってことで剣道部を選びました」



高校は観音寺市の隣、三豊市にある笠田高校の農業科へ進学した。


「中学時代、進路を決めるときに特にやりたいこともなかったので、笠田高校へ進学した。

自由な校風の学校で楽しかった。

高校に入ってすぐ部活を決めるとき、中学の剣道部の友達が自転車競技部の体験に参加。

一緒に付き合って部活体験をして、楽しいかなと思って自転車競技部に入ることになりました」


高校時代


笠田高校に入学後は自転車競技に熱中。

顧問が香川県の自転車競技に精通していることもあり、ガールズケイリンへ進むことは自然の流れだった。


「大きな大会で結果を出せるほどの選手ではなかったけど、顧問の先生がガールズサマーキャンプに参加することを勧めてくれた。

高2、高3と2年連続で参加して、ガールズケイリン選手になりたいって思うようになり、進路として選びました」


高校時代から観音寺のバンクで練習することが多く、自然と香川県の選手と関係を持つことも多くなり、顧問の紹介もあり大西祐(91期)に弟子入りすることとなった。



観音寺競輪場


「大西さんは自転車に詳しいし、いろいろ教えてくれました。

高校の自転車競技部の先輩でガールズケイリンを目指していた三宅真央(オートレーサー)さんが先に弟子入りしていたこともあり、一緒に練習をさせてもらいました」


師匠の大西祐


日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)の1次試験は高校3年生の秋。

自信はあまりなかったが、実技の1次試験は無事突破。

課題は学科と面接の2次試験だったと振り返る。


「1次試験は実技だったので大丈夫だったのですが、2次試験の学科は自信が全くなかった。

学生時代は本当に勉強が苦手。

競輪学校に落ちてしまったらいろいろ大変だし、必死で勉強をしました」


猛勉強の甲斐もあり現役合格。

114期生として、日本競輪学校へ入学した。


「同期はいい人ばかり。年が同じ人も多かったし学校生活は楽しかった。

師匠の大西さんからは『得意パターンを見つけられるように』と言われていた。

在校成績は13位。卒業記念レースは決勝に進出して5着。

自力で勝てていた訳ではないから自信はあまりなかった」



学校卒業後はデビューに向けて猛練習。

得意パターンを見つけることはできなかったが、デビュー戦は待ってくれない。

2018年7月、地元高松でデビューを迎えた。


「デビュー戦が地元になったことはうれしかった。

家族や応援してくれる人が見に来てくれたので。

でもデビュー開催のことは緊張であまり覚えていない」


結果は予選1、5着。予選2、3着で決勝進出。

決勝4着と上々の滑り出しを決めた。


「デビュー戦の高松のレースVTRを見直したらすごいレースをしていますね。

まだ何も知らないって怖いですね(笑)

結果だけを見れば決勝に乗れているけど、周りが強くてガールズケイリンでやっていけるか不安になりました」



114期は佐藤水菜、柳原真緒がデビュー後すぐに優勝。

他の同期も1着を取っていく。

なかなか勝つことができない状況に佐伯は焦りを覚えたそうだ。


「デビュー後はなかなか勝つことができず、大変でした。

同期が結果を出していくことに焦りもあった。

決勝には乗れていたけど、1着が取れない。

師匠の言っている『得意パターンを持つ』ってことの意味がわかりました」



佐伯智恵 Chie Saeki



生年月日:1999年3月5日

身長:159.0cm

期別:114期

登録地:愛媛県

詳しいプロフィールはこちら


松本直 Suguru Matsumoto


誕生日:1979年5月1日

所属:デイリースポーツ(競輪記者歴13年)


<後編>はこちら


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