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<後編>父は北九州が生んだスター選手・北津留千羽 競輪界初の父娘一緒にGⅠ参加を目指して 【松本直のガールズケイリンちょっとイイ話】

特別企画 2026.02.27



“ミスターガールズケイリン”の異名を持つデイリースポーツ・松本直記者しか知らない、ガールズ選手の秘話や“いい話”を紹介します。



■前編はコチラ



北津留千羽のルーキーシリーズでのデビュー戦は2025年5月の熊本。

6着、2着で予選を走り終えて決勝進出。決勝は5着(優勝は卒業記念レースを制した岩元杏奈)。

続く2戦目の別府では2日目に初めての落車を経験。それでも最終日はしっかり走り切った。

3戦目の四日市も決勝進出とはならなかったが、ルーキーシリーズ3場所を走り切り、競輪選手としての第一歩を歩み始めた。


「(日本競輪選手)養成所を卒業して少し時間が空いていたので、熊本のデビュー戦の時は緊張していました。ウォーミングアップの時間の管理、選手紹介から発走までにやることなど、いろいろバタバタでした。先輩選手への接し方とか、覚えることが多くて大変でした。初めての賞金を受け取った時は『これが仕事か』って感じでした。着順が良かった人との賞金額の差があるわけで、自分はもっと頑張らないとなって改めて思いました。2戦目の別府で落車したけど、体が無事だったので走りました。父からのアドバイスでプロテクターを付けていたので、助かりました。父から『大きなケガをすると弱くなってしまう。選手を長く続けるならプロテクターは絶対に付けておいたほうがいいよ』って言われたので。父の言っていることは間違っていないなと思いました」



7月には先輩選手との対戦が始まった。

いきなり7月の名古屋では憧れの存在・太田りゆとの同時開催となった。養成所を卒業する時に書くプロフィールの目標、尊敬する人の欄には「北津留翼、太田りゆ」の名前が書かれていた。


「太田りゆさんと名古屋で会った時、オーラがすごかったです。前検日に新人同士でまとまってあいさつに行ったけど、目の前にしたら固まってしまった。りゆさんから話しかけてくれたのにうまく返せなかった。父のおかげで先輩の選手から声をかけてもらう機会が多くてありがたいです」


憧れの太田りゆとは名古屋2日目に対戦。太田が1着。北津留は7着と敗れてしまったが、感じることの多い一戦となった。


「フォームが綺麗ですごかった。圧倒的な強さも感じた。でも、自分はここで戦っていかないといけない。もっと強くなるしかないと改めて思いました」


予選敗退となったが名古屋最終日には一般戦で初白星をゲットした。

仕掛けた吉村美有紀の後ろを取り切り、最後の直線で差し脚を発揮した。


「養成所でも1着がなかなか取れなかったし、プロデビュー後は1着を取るまでに苦労するかなと思ったけど、展開が向いて1着を取ることができました」



夏から秋にかけてはパワーアップというテーマを持って練習に打ち込んだ。

11月の松阪では4着、3着で予選突破。初めての決勝進出を果たした。


「決勝に乗るという気持ちで練習していました。ローラー台での練習を増やしたりして、よりガールズケイリンの実戦的な練習を増やしました。あとは気持ちが大事だと思った。デビューしてすぐの頃は気持ちが弱くて、初日の予選1走目の成績が良くても、2日目の予選2走目で弱気になってしまうことがあった。この松阪では2日目も気持ちを強く持って走れた。外併走でも怖くないと自分に言い聞かせて耐えることができました」


その後は12月の玉野、松戸、1月の久留米と3場所連続で決勝進出と流れに乗ってきた。ガールズケイリンへの対応力が上がってきたことが数字に現れてきた。


「12月の玉野決勝で小林莉子さん、石井寛子さんと一緒に走って勉強になりました。乗り方、駆け引きなど勉強になりました。今は勉強することが多くて走っていても楽しい。自分は伸びしろがいっぱいあると思っているので、経験を増やしていきたいです」


自分自身が選手になったことで父の偉大さを強く感じている。


「マウンテンバイクをしていた頃より会話が増えました。自分が選手になり、ケガも多い仕事だし、練習の厳しさもある。父の大変さがよく分かりました。尊敬し直しました。父も最初はガールズケイリンのことをあまり知らなかったけど、最近はレースをよく見てくれているし、いろいろ教えてくれます。開催が終われば父と自分のレースをYouTubeで見て反省会をしている。同じ失敗をしないようにしていきたい。あとはまだ父と同じ開催への参加がないので、一緒のあっせんが入るのを楽しみにしています」



今年も5月には130期がデビュー。北津留千羽も選手生活が2年目に突入する。更なる飛躍が期待される。


「GⅠレースに出られる選手になりたい。まずは普通開催でコンスタントに決勝に乗れる選手になりたい。父からもまずは決勝に乗って、優勝できるようになれるといいねと言われています」



北津留翼は北九州が生んだスター選手。GⅠの競輪祭を走れば大歓声が巻き起こる。

父と娘の思いは一緒。


「親子でGⅠへの参加」


今のビッグレースで男女の同時GⅠは6月の高松宮記念杯競輪&パールカップと、11月の競輪祭&競輪祭女子王座戦の2開催。

親子で地元・北九州の小倉競輪場で開催されるGⅠへ参加となれば盛り上がることは間違いない。


時間は少しかかるかもしれないが、競輪界初の父娘でGⅠへの参加を目指す北津留千羽の挑戦はまだ始まったばかりだ。



北津留千羽 Chihane Kitatsuru



誕生日:2006年3月2日

身長:152.8cm

期別:128期

登録地:福岡県


松本直 Suguru Matsumoto



誕生日:1979年5月1日

所属:デイリースポーツ


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