新山響平選手

2023.02.20

競輪界最強の9選手“S級S班”。

約2,200名いる競輪選手の中で「GⅠ優勝」と「獲得賞金」でその座を勝ち取った者だけが君臨できる、競輪界の最上位ランクです。

 

2023年S級S班の9選手をインタビューで紹介します!

第2回目は、新山響平(しんざん・きょうへい)選手です。

 

 

大学進学もすぐに競輪の道へ

 

兄が二人いて、僕は三兄弟の末っ子です。

叔父さん二人が競輪選手(小笠原嘉さん、一都志さん)でしたが、競輪がどんなものなのかは全く知りませんでした。

 

小学生の頃から野球をやっていました。

高校でも続けたい気持ちもありましたが、野球で将来食べていけるビジョンは見えなかったんです。

兄(新山将史選手)が競輪選手になったこともあり、僕も競輪選手を目指して高校から自転車競技を始めました。

 

 

自転車競技がすごく楽しかったので、「競輪選手になる前にもう少し競技をやりたい」という気持ちもあって、日本大学へ進学しました。

でも入学してから、同級生たちが先に競輪選手になっていくことを考えると、「遅れをとっている」という気持ちになってしまって…

1年生の途中で大学を辞めて、競輪学校(現:日本競輪選手養成所)を受験しました。

 

受かると思っていたので、1回目の受験で落ちてしまった時はビックリしました笑

地元・八戸自転車競技場で練習して、2回目の受験で合格しました。

同期には強い選手が多くて刺激になりましたし、107期で良かったです。

 

 

デビュー2年目の7月に函館記念でGⅢ初優勝、11月の競輪祭で初めてGⅠの決勝に進出できましたが、運が良かったんです。

※デビューから史上最速の1年20日で記念開催(GⅢ)初優勝。2018年に南潤選手が記録更新。

 

2019年にはナショナルチームから声を掛けてもらい、興味があったので参加しました。

研究された新しいトレーニング方法・世界選手権のメダリストとの練習・充実した設備・心身のケアなど、本当に素晴らしい環境でした。

 

それまでは“だいたい”のトレーニング計画も、ナショナルチームで得た知識を活かして、今ではトレーニングスケジュールを組むのが楽になりました。

目標とする開催へ向けて、逆算して考えられるようになりました。

 

 

2022年11月GⅠ初優勝

 

 

「GⅠ優勝」を目標にやってきたので、「グランプリに出ること」や「S級S班になること」をあまり考えていませんでした。

 

SSになってしまった… マズイな…

競輪祭で優勝した瞬間は、こんな感じでした笑

 

正直、グランプリのことよりも、今年1年のことを考えてしまうようになりました。

周りからの見られ方も変わりますし、まだ実力も伴っていないと感じています。

位置取りや横の厳しい動きがまだ上手くできず、狙われることも多くなります。

 

それを一つずつ克服して、しっかり優勝できるようにやっていくことが、自分のレベルアップに繋がると思います。

自分の戦法の幅も広げたいですし、縦一本でタイトルを獲ることができる脇本(雄太)さんのような走り方にも憧れますし、どちらもできるようになりたいですね。

 

今年は“自力”でGⅠを優勝することが目標です。

コンスタントに決勝に乗って、3着以内に入るような選手になりたいです。

 

 

 

“赤いレーサーパンツ”を履いて

※S級S班の9選手のみ、レースで赤い色のレーサーパンツを履くことができる。

 

“赤いレーサーパンツ”、良いですね〜。

上のユニフォームも模様が入ってカッコいいので、脱ぎたくないです。

 

“黒いレーサーパンツ”の中で、“赤いレーサーパンツ”を履いて走るようになり、緊張度合が増しました。

去年までは「ラインで団結してSSを倒す」という心持ちで、強い選手を後方に置くようなレース運びをしていました。

でも今年からは、僕がそれをされる立場になって「こんなにもツラいことだったんだ」と実感しています。

 

“赤いレーサーパンツ”で弱いのは、恥ずかしい。

 

その思いが原動力です。

ただただ、頑張りたいです。

 

 

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