アートが大好き!上野優太選手(熊本県・113期)

2024.05.15

男女合わせて約2,400名いる競輪選手には、さまざまな経歴や趣味を持った選手がいます。『推すスメ!選手インタビュー』では選手個々のプロフィールを、インタビューを通してひもといていきます。

 

熊本県・113期の上野優太選手は、とっても明るい人柄でサービス精神も旺盛。他の選手からは“愛されキャラ”として親しまれています。また、全国の美術館を巡るほどのアート好きな選手でもあります。そんな、見た目は“ちょっとイカつい”27歳男子のオススメ美術館と競輪への思いをインタビューしました。

 

 

 

美術館巡り

開催で全国に行くので、その地域にある美術館に立ち寄ったり、期間限定で行われている展示を見たりしています。

今までに行った美術館の中で特に感動したのが、大塚国際美術館(徳島県鳴門市)です。名前にもあるように大塚製薬を核とする大塚グループが創設した美術館で、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐(ばんさん)』、ゴッホの『ヒマワリ』、ピカソの『ゲルニカ』など、世界の名画の“複製画”が原寸大で展示されています。しかも、そんな世界でも有名な名画が約1,000点展示されていて、鑑賞ルートも約4kmもあるんですよ!

 

 

熊本の先輩の中村雅仁さんと行ったのですが、作品ひとつずつに感想を言ったり、ボケたりして回りましたが、さすがにキツすぎました(笑)。美術が好きな人は行ってみる価値アリですよ!

 

 

福岡県出身のアーティスト・KYNE(キネ)や、AKIRAを描いた大友克洋先生の作品が大好きです。大友先生はディテールを徹底的にこだわっていて、リアルなところが本当にすごいと思います。

 

 

イラストレーターのキム・ジョンギさんも好きです。下書きをせずに筆ペン1本で複雑なイラストを描いているんです。数年前にコミコンというイベントに行った時、偶然キム・ジョンギさんがいて、イラストを描いてもらいました。2022年に亡くなってしまいましたが、これは僕の宝物です。

 

 

自分でもイラストを描きたいと思い、パソコンとイラストレーターのソフトを買って、挑戦しました。でも、イラストレーターは難しすぎて…。YouTubeを見ても、本を読んでも、全く使い方が分からず創作意欲が失せました(笑)。

買いたいアート作品はたくさんあるのですが、安いものではないので、まだ踏み込めていません。

 

 

 

父の友達のレース

僕は熊本県宇城市出身で、きょうだいは姉が一人います。小さい頃はウルトラマンに出てくる怪獣のビジュアルが好きで(笑)、誕生日やクリスマスにはおばあちゃんにフィギュアを買ってもらっていましたね。

父が野球やソフトボールをやっていた影響で、小学4年生からソフトボールを始めて、中学は野球部に入りました。

 

競輪を知ったのは、中学1年の頃です。後に僕の師匠になってもらう倉岡慎太郎さんと父が同級生で、「友達が競輪を走ってるから、一緒に(レースを)見に行こう」と誘われたことがキッカケでした。

初めて競輪を見た時に「なんか、できそうだな」と思って(笑)。野球で上のレベルを目指すには限界を感じていたし、中学2年の頃には「将来は競輪選手になろう」と考えていたと思います。

でも、とりあえず高校は野球推薦で進学したんです。野球部を引退した高校3年の夏から自転車に乗り始めて、高校卒業後、2回目の受験で競輪学校(現:日本競輪選手養成所)に合格しました。

 

競輪学校に入ると、周りは自転車競技のエリートばかり。そんな中、自転車の組み立て方すらよく分からないし、みんなについていくのに必死でした。

人と仲良くなるのは得意なほうなので(笑)、同期とはすぐ打ち解けられて、日常生活は楽しかったです。

 

 

 

“熊本の追い込み屋”

デビュー戦はツラかったです。同期で同門の嘉永泰斗上田尭弥と一緒の開催に出場しました。2人とも決勝に勝ち上がって“連携”しているのに…僕は全く歯が立たなくて、決勝に上がれませんでした。その時は「このままやっていけるのか!?」と本気で焦りましたね。

レースを重ねていくうちに自分なりに走れるようになってきて、それからは良いペースでS級まで上がってこられましたが、S級では再び壁にぶち当たりました。

自分の脚力が全く通用しなくなり、レース中は“良い位置”を取らせてもらえない。上がった当初の成績はボロボロでした。“イン粘りなどでヨコの動き”をしにいくようになって、S級のスピードに徐々に慣れていった感じです。

※イン粘り:前方に位置し、目標としたい先行選手の上昇を待ち、その先行選手のラインに付けている選手と内側から競り合う戦法。
ヨコ:ラインの2番手選手が先頭の選手の主導権争いをサポートするために行う、主に横方向への動きのこと

 

A級2班になった頃から、“追い込み選手”として戦っていきたいと考えていました。僕は長い距離を踏めるほうではなかったですし、一瞬のダッシュを出せるところが僕の武器だと思っていました。ようやく最近、“追い込み選手”として定着してきたと思います。“自力選手”に信頼してもらえるような走りを心がけて戦っています。

佐藤慎太郎さんのように、どこからでも伸びてきて、気付いたら3着以内に入ってくるような走りが理想です。

 

熊本競輪場が今年7月に再開します。僕たち地元の選手たちはめちゃくちゃ盛り上がっています。まずは、地元の記念開催(GⅢ)に呼んでもらえるような選手になりたいです。2026年2月にはGⅠ『読売新聞社杯全日本選抜競輪』の開催も決定しました。地元GⅠ出場を目指して、“熊本の追い込み屋”としての地位を確立させていきたいです。

※2016年の熊本地震の影響で施設の全面建て替えを行い2024年7月にリニューアル

 

「金のネックレスはおばあちゃんからのプレゼントで、いつも肌身離さず付けているお守りです」

 

どこからでも1着を狙えるような動きができるように、これからも頑張っていきます!

 

 

上野優太 Yuta Ueno

 

1997年1月7日生まれ、熊本県宇城市出身
身長164.5cm、体重74.5kg

登録地は熊本県、ホームバンクは熊本競輪場
2018年7月、113期として競輪選手デビュー

■詳しいプロフィールと出走情報はこちら

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