KEIRIN報知 飯田真優16歳 夢駆ける少女

2020.10.04

※この記事は2020年9月29日付けのスポーツ報知に掲載されたコラム「KEIRIN報知」です。

 

初心者、ガールズケイリンを目指すアマチュアレーサー、自転車競技選手のスキルアップを目的とした「ガールズサテライトキャンプ」が19日から3日間、下は12歳、上は28歳までの20人を集め、静岡競輪場で行われた。

富士山を見ながら、必死に汗を流すガールズたち。

中でもピカイチの存在感だったのが、笑顔がまぶしい飯田真優さん(16)=青森山田高1年=だ。

(永井順一郎)

 

 

まるで青春映画 女優並みの輝き

輝いている。まぶしすぎる。

163センチのスラリとした16歳は、元気はつらつ。
そしてかわいい。
青春映画の主演女優と言っても、誰も疑わないだろう。
圧倒的な存在感を16歳で醸し出している。

 

 

自転車に興味を持ち始めたのは高校入学後。

ずっとバスケットボールのとりこだった。
しかし中学3年の10月、左膝の前十字靱帯(じんたい)断裂の大けが。

高校では自転車部に入ったものの、最初はバスケットボール復帰へのリハビリのつもりだった。

「でも、自転車に乗り始めたら楽しくて楽しくて。自分の努力次第で強くなれるから」と“恋人”変更。
自転車の魅力に取りつかれた。

 

 

自転車とのつながりはあった。

父の貴康さん(45)=自営業=は、青森山田高の自転車部出身。兄も大学の自転車部だ。

弘前市の家から青森市の高校まで片道約37キロ。
往復74キロを毎日、飯田さんは自転車通学。

そして父も伴走で送り迎え。
まな娘がかわいくて心配なのだ。
親子二人三脚で、将来はガールズケイリンレーサーを目指している。

父の同級生であった縁で、工藤友樹(45)=青森・A級3班=の指導を仰いでいる。

工藤は「負けず嫌いですね。自分が納得しないと居残って練習をする」とその頑張りに目を細める。

工藤の弟子にガールズケイリンで活躍する奈良岡彩子(30)=104期生=がいる。

このキャンプには奈良岡からもらった自転車を持って参加した。

 

青春の全てを自転車にささげているが、息抜きは韓国ドラマを見ること。

お気に入りは「恋のゴールドメダル 僕が恋したキム・ボクジュ」。

主演のナム・ジュヒョクのファン。
「格好いいし、はまります(笑)」この話の時ばかりは、普通の高校生の顔に戻っていた。

 

充実した3日間。
飯田さんは「少しでも強くなりたいと思い参加しました。何より楽しく乗ることができました。これからの練習に生かして頑張っていきたいと思います」と振り返った。

 

急きょ視察に訪れたナショナルチームのブノワ・ベトゥヘッドコーチは「フォームはひどい(笑)が、センスを感じる。将来が楽しみだ」と絶賛した。

 

500メートルのベストタイムは8月の大会で記録した42秒08だが「練習では41秒25出しました」と負けん気の強さが出た。

 

間違いなく将来のガールズケイリン、五輪で活躍できる逸材だろう。

 

まぶしすぎる笑顔の飯田さん。将来が楽しみだ

 

<飯田真優>(いいだ・まゆう)

2004年5月3日、青森・弘前市生まれ。16歳。
フルーツ好きで青森なのにミカン、イチゴが好物。
嫌いなのはトマト。
ペットのトイプードル「モコちゃん」をこよなく愛す。
ニックネームは「まゆ」。

163センチ、体重は「りんご3個分(笑)」とのこと。
血液型B。家族は父、母、兄。

 

 

“郡司ファン”菊地実奈さん21歳

第二種電気工事士の資格を持つ菊地実奈さん(21)は岐阜から参加。

和歌山・串本町出身だが、看護師を目指し岐阜へ。
看護学校へ入学したが、そこの友人が大の競輪好き。
一緒に岐阜競輪場に足を運ぶようになってしまった。

「はまりましたね(笑)写真もバンバン撮っていました。郡司浩平選手が格好いい。そのうち見るのではなく自分が走ってみたいと思うようになって」。

 

夢に向かっての第一歩がこのキャンプだ。
「初めてバンクで乗れて楽しかった。2、3日目は股ずれとの戦いでした。記録も出たし、最初は怖かったカント(斜度)も楽しいと思えるようになりました。これからも頑張っていきます」と満足していた。

 

 

 

中条麻歩さん“28歳の初体験”

28歳、頑張ります。

全くの初心者ながら10月の「日本競輪選手養成所」入所試験を受ける中条麻歩さん(香川)

スポーツ経験はスノーボードだけだが心機一転、自転車の世界に身を置く決意をした。

 

「試験は適性で受けます。競技用の自転車に乗るのも初めてで、靴をペダルにはめるのすら難しく、転んでしまったんですが、楽しかった。今後につなげていきたいと思います」

 

 

 

初心者&経験者 今年は20人参加

4度目となるサテライトキャンプ。

毎年夏に行われていた「ガールズサマーキャンプ」に参加できない女子が集まる。

今年は新型コロナウイルスの影響でサマーキャンプが中止。
その中で何とか開催にこぎ着けた。

 

20人の参加者は大会に出るなどの経験者から、競技用の自転車に乗ったことがない初心者までバラバラ。

初心者はペダルの着脱にひと苦労。
ペダルがうまく着けられずに倒れるケースが何人も。

ブレーキがついていないのに驚く参加者もいて、止まれないなどのアクシデントもあった。

生傷がたえなかったが、参加者は全く気にしていなかった。

 

コーチ陣は世界レベル。現役時代は日本チャンピオンだったり、世界を転戦したコーチが優しく、熱く指導。

飛び入りでナショナルチームのブノワ・ベトゥヘッドコーチが参加。
スラロームでお手本? を見せたり、集合写真に収まったり。

ただ、ベトゥ氏を知っているか? の問いに、手を挙げた参加者はまばらだった。

 

ブノワHCも飛び入り参加

 

 

<練習スケジュール>

 

バンク練習前に準備運動

初日は午前中に集合し、自転車、ヘルメットのサイズ合わせ。
初心者はペダルの着脱など。

昼食を挟み午後からバンクで周回、フライングスタート、スラローム走行など。

夜は自転車競技に関する講義。

基本的に3日間、このような感じで行われる。

2日目の夜講義のテーマは「女子アスリート」。

 

全員集合ハイチーズ!

 

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