【競泳】塩浦慎理 × 新田祐大 アスリート対談 前編

2022.11.11

他競技の選手と競輪選手の対談企画『アスリート対談』。

 

〜第2回〜
【競泳】塩浦慎理 × 新田祐大

 

塩浦慎理選手は、50m自由形のアジア記録保持者。
オリンピックには、2018年・リオデジャネイロ、2021年・東京と2大会連続で出場しました。
現在は、2024年のパリオリンピックを目指して現役を継続中です。
プライベートでは、2020年にタレントのおのののかさんと結婚。
2021年には第1子となる女の子が誕生しました。

新田祐大選手は、UCIトラック世界選手権2019・ケイリンで銀メダルを獲得
オリンピックには、2012年・ロンドン、2021年・東京に出場しました。
現在は、自転車競技ジュニア短距離アドバイザーとして後進育成に携わっています。
また、競輪では2022年10月23日に史上6人目となるグランドスラムを達成
「競輪」と「後進育成」の二足の草鞋を履くアスリートです。

今回は「オリンピック」・「後進育成」・「収入」など、多岐にわたり対談。
両選手とも日本人選手の金メダル獲得が、オリンピックを目指すキッカケになったようです。

 

 

塩浦慎理選手(以下・塩浦)グランドスラム達成おめでとうございます!
そんな偉業の後に会えるなんて嬉しいです。
今日はよろしくお願いします!

新田祐大選手(以下・新田) 塩浦くんはテレビで見る人で、優秀なイメージ。
緊張しますが、今日はよろしくお願いします!

 

――オリンピックを目指したキッカケ

新田 1998年の長野オリンピック・スピードスケートで、清水宏保さんが金メダルを獲ったのをテレビで見たことがキッカケで、「オリンピックへの憧れ」を持つようになりました。
本当に感動しましたし、単純に「カッコいい!」と思いました。
当時は色々なスポーツをやっていましたが、“オリンピックに手が届きそう”だったのが自転車でした。

塩浦 僕も似たような感じです。
2004年のアテネオリンピックで、北島康介さんが金メダルを獲ったのをテレビで見て、強烈にその金メダルが「カッコいい!」と思って。
当時は中学1年生で、全国大会に出場し始めた頃でした。
その時に「オリンピックに出たい」と思うようになり、いまに至ります。

新田 初めて出場したロンドンオリンピックでは、現実を目の当たりにしました。
「今のままではメダルは獲れない…」と悟りました。
新しい環境を自分で作って、次のリオオリンピックを目指しましたが、結果として出場できませんでした。

 

 

自転車競技は(日本代表の)東京オリンピックでのメダル獲得を目的として、いまのナショナルチームの形ができました。
形とは、“組織でしっかりと運営されているチーム”のことです。
そのナショナルチームに入って、自分の想像を遥かに上回る成長をして、東京オリンピックに臨みました。
ですが、東京オリンピックは全く楽しめなかったです。

自分自身にすごく期待して結果を求めたのですが、想像していたのと逆の結果になってしまいました。
培ってきたものを披露する場面を、自分で作れなかったことが、すごく残念でした…。
あっという間に終わってしまったので、もうちょっと楽しみたかったというのが本音です。

塩浦 僕が初めて出場したのは、リオオリンピックでした。
プールの規模はもちろん、大会の規模も世界選手権と大差ないというのが、正直な感想です。

明らかな違いを感じたのは、世間の注目度や周りの人たちのリアクションでした。
世界選手権の出場は、水泳関係者に「おめでとう」と言われる程度。
でもオリンピックの場合は、出場が決まると母校や出身地での壮行会、親戚や地元の友人など、たくさんの方から連絡がきました。
オリンピックの注目度や期待感の高さを感じました。

 

 

リオオリンピックでは、良い結果を残せなかったので、東京オリンピックを「集大成」と考えていました。
2019年にはアジア新記録を出し、世界選手権でも決勝進出と良い結果を残せていました。

そんな中で、新型コロナウイルスの大流行…
東京オリンピック代表選考会も、直前に延期が決定しました。
“2020年に開催される東京オリンピック”のために、全て照準を合わせてやってきたのに…。
正直、それまでやってきた“頑張り”をもう1年継続することはできませんでした。

その後も全ての大会が白紙となり、「このまま競技を続ける意味ってあるのかな」とも考えました。
結果的にリレーだけでの東京オリンピック出場。
それもギリギリでした。

東京オリンピックは中途半端になって、やり切れなかったことが心に「モヤっと」残りました。
だから、「やり切った」と思えるところで、競技を終えようと考えるようになりました。
「もう一度オリンピックに出て、今度こそメダルを獲得したい」という思いで、パリオリンピックを目指しています。

 

 

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