デイリースポーツ「KEIRIN屋」 いよいよデビュー!!令和の怪物

2020.01.17

※この記事は、2020年1月15日付けのデイリースポーツ「KEIRIN屋」に掲載されたものです

 

 

117期2人〝飛び級〟で今月初陣

注目の〝飛び級ルーキー〟がいよいよデビューする。

日本競輪選手養成所で史上初の早期卒業選手となった菊池岳仁(19)=長野・117期・A3、寺崎浩平(26)=福井・117期・A3=が同期よりも一足早くプロとして戦いの舞台に立つ。

現役時代にGⅠ全冠制覇のグランドスラムを達成した滝沢正光所長が「令和の怪物になれる存在」と評した2人に、競輪選手を目指したきっかけや目標を聞いた。

(聞き手=松本 直)

 


競輪界初の早期卒業を果たした菊池岳仁(左)と寺崎浩平

 

 

◆ 早期卒業制度

優れた資質に恵まれ、スター選手になり得る逸材をいち早くファンに提供することで、競輪への興味、関心および車券購買意欲を喚起することを目的として06年(93期生)に導入された制度。日本競輪選手養成所に入所直後期(5月)または中間期(9月)に実施する記録会で最優秀評価の「ゴールデンキャップ」を獲得すると早期卒業候補者として選定。

その後は競輪選手として必要な専門知識に関する補講など他の候補生とは違うカリキュラムを履修して、養成所が定める所定の基準(卒業認定考査合格、競走訓練勝率20%以上、最終バックを先頭で通過して3着以内に入着した回数が出走回数の10%以上)をクリアした候補生が受けられる12月の選手資格検定に合格すれば早期卒業が認められ、他の選手候補生に先駆けて翌年1月に競輪選手としてデビューできる。

 

 

一気にS級 24年パリ五輪も狙う

国体で優勝
最初にデビューするのが16日の和歌山で初陣を迎える寺崎だ。

実家が自転車屋を経営、兄の影響で高校から自転車競技を始めるなど恵まれた環境で力を付けると、インターハイで活躍。
さらに大学時代も国体でケイリン優勝などの実績を残し、鳴り物入りで日本競輪選手養成所に入所した。

「高校から自転車競技をしていたが、高校卒業時点では競輪選手という仕事を意識していなかった。大学に進学して次のステップとして競輪選手を選んだ」と話す。

 

能力の高さに加えて、在所中はナショナルチームのヘッドコーチを務めるブノア・ベトゥからも指導を受けてトップスピードの強化に努めると、第2回の記録会では最優秀評価のゴールデンキャップを獲得。

滝沢所長も「トップスピードを生かしたまくりに注目してほしい。チャレンジ戦ではマークする選手が付いていくのが厳しいと思う」と、その実力に太鼓判を押すほどだ。

 


1月16日からの和歌山でデビューを果たす寺崎浩平

 

早期卒業後は福井に帰らず、ナショナルチームBの一員としてトレーニングに励んでいる。

「自転車競技は高校時代からずっとやってきているし、オリンピックには出たい。24年のパリ五輪は興味がある。最高の環境で練習をさせてもらっているし、まずはナショナルチームの中で選抜されたい。ダッシュ力や組み立てには自信があるし、ケイリンで勝負してみたい」。

 

競輪選手としての目標も明確だ。

「デビュー後は一気にS級まで駆け上がりたい。3年以内に地元の福井記念で優勝して、いずれはグランプリに出場できる選手を目指す。同県の先輩でもあり、ナショナルチームでも活躍している脇本雄太さんと肩を並べられるような選手になりたい」。

高校の先輩でもある脇本を追い掛け、追い越すつもりだ。

世界を見据える寺崎が競輪の舞台でどんな走りを見せるか注目だ。

 

 

寺崎浩平(てらさき・こうへい)

1994年1月4日生まれ、26歳。福井市出身。法大卒。
日本競輪選手養成所での成績は25走して1着21回、2着1回、3着1回、着外2回。
師匠は鷲田佳史(福井・88期)。
171センチ、74キロ。

 

 

 

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